1. 事業フィールド
  2. Project story02:企業と人材の“真のマッチング”を実現する事業をつくる

Project story 02
企業と人材の“真のマッチング”を実現する事業をつくる

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  2. Project story02:企業と人材の“真のマッチング”を実現する事業をつくる

Prologue

かつてのリスペクトには多くの企業と同じように、採用にまつわる課題を抱えている時代があった。たとえば、日本全国の人材にリーチしたいのに限定された地域からの応募ばかりだったことや、不景気や競合他社を理由に次善策を提示してくれない新卒採用メディアの限界など、悩みはさまざまだった。リスペクトはこれらの課題を自力で解決し、年々改善することで、これまでの採用活動をより良いものにしてきた。
だが、多くの企業は違っていた。リスペクトのコア事業のひとつである「マーケティング支援」の現場からは、クライアントからの採用に関する悩みが耳に入るようになった。
「思うような人材が来なくてね……。リスペクトさんはどうですか?」
もしかすると多くの企業が以前のリスペクトのように課題を抱えているのかもしれない。人材戦略・採用支援事業は、そうした採用活動のあり方に対する問題意識から始まった。


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Project leader

Initial T

経営企画部門でキャリアをスタート。最近ではディレクション業務も手掛ける。自社の採用活動やマーケティング支援事業に携わるうち、多くの企業が求める人材とのマッチングに苦悩しているという事実にたどり着き、プロジェクトの立ち上げを決意する。


Chapter01
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採用のノウハウを“体系化”する

Tの心にあったのは、「多くの企業が求める人材と出会えておらず、多くの人材が心から働きたいと思える会社に出会えていないのではないか?」という思いだった。
現在、新卒採用メディアには約2万社もの企業が求人情報を掲載している。その大部分がかつてのリスペクトのように採用課題を抱えており、マッチングに苦戦しているとすれば、同じように多くの人材がやりたい仕事を手にしていないことになる。「ひょっとすると」という思いを抱きながら、Tは調査を開始した。浮き彫りになったのは、企業と人材がうまくマッチングしなかったがゆえに高まっている離職率と低い定着率。そして、それに対する施策――たとえば人材と企業のズレを解消するためのインターンや説明会など、成功している企業がオープンにしていないために学ぶことのできない取り組みが多くあるということ。さらに、多くの企業が利用する新卒採用メディアでは、ほとんどが画一的な打ち出し方をされているため、それぞれの企業が持っているはずの個性がくすんでしまっていることもわかった。つまり、採用活動における機会と選択肢が、企業と求職者の双方にとって、ある一定のレベルから増加していないということである。
採用に関するノウハウを体系化し、悩める企業に提供することができれば、企業にとっても人材にとってもより幸せな採用活動を実現することができる。体系化はリスペクトがマーケティング支援で研磨してきた大きな武器だ。採用でもきっと活用できるはず。Tはそう確信し、強い想いを仲間に告げた。「採用支援を事業化して、自分たちの力で企業と求職者の真のマッチングを実現しよう」
ところが、仲間たちの反応は思わしくなかった。
「何言ってんですか。熱意はわかりますけど、そんなの無理ですよ」

T
みんなの言い分はもっともでした。多くの企業で人材とのマッチングがうまくいっていないことは理解してもらえましたが、その“うまくいかない理由”となる課題の部分は企業によって違うし、さらにいろいろな課題が重なっていることも当然考えられたので、それらを解決するようなノウハウを体系化することなんて不可能だと思われてしまったんです。たしかに「ノウハウを体系化する」のはうちのマーケの強みですけど、未経験の採用分野でそれをやるとなると、聞いただけで難しいと思っちゃいますよね。それと、自社の採用活動で培ったノウハウはありましたが、それだけではぜんぜん足りないし、採用コンサルティングをしてる会社なんていくらでもありますから。
だから、みんなが納得してくれる情報を提示するために、めちゃくちゃ調査して勉強しました。

Chapter02
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スタートと同時に始まる秒読み

Tがまず始めたのは、採用市場を徹底的に分析することだった。競合となる企業がどのようなサービスを打ち出しているのか、採用プロモーションにはどんなものがあるのか、具体的にどのようなニーズが市場にはあるのかなど、あらゆることを探った。
それに、仲間たちが危惧するように、いくら自社の採用活動がうまくいっていても、それだけでは他社の採用活動の役には立たない。それは自分だって知っている。他社の課題を解決する前に、仲間を説得するために自らが解決しなければいけない課題は山積みだった。
しかし、「採用を支援して、企業にも人材にも多くの機会と選択肢を提供したい」という熱意が変わることはなかった。自分の仕事をこなしつつ、その合間を縫って、Tは人事・採用に関する数々のセミナーに参加し、さまざまな本を読みあさることで、どんどん知見を拡げていった。
「これで大丈夫だ」と思えた頃には、最初の提案からすでに数ヶ月の時が流れていた。
今度こそ説得してみせる。Tは再び仲間たちと向かい合った。
「まず、ノウハウを体系化する方法だけど――」
ブームは複数の要素が重なることで生まれる。複数の事象が流行した要素をすべて分解し、再構築すれば、それが見えてくる。もちろんここまで簡単な話ではないが、要するに、ブームを生み出す要素を“体系化する”作業によって、ブームは必然的に生み出せるということだ。現にリスペクトはマーケティング支援でそれを実践してきた。
仲間は自社のマーケティングに自信を持っているし、成功も収めてきた。この強みを採用活動にも活かせるということに、Tは確信を持っていた。採用活動に成功している起業を徹底的に分析すれば、その方法が見えてくるはずだ。
「でもTさん、採用支援をしてる会社はたくさんありますよね。どうやって勝負するんですか?」
「自分たちの強みで差異化する」
Tの回答は単純明快だった。リスペクトが自信を持って行っているのはクリエイティブとコンサルティング。これまでに数多くの制作物を生み出し、マーケティング支援では「人を動かす仕組み」を培ってきた。もちろん、クリエイティブに実績があるから、コンサルティングに強みがあるから差異化できるわけではないし、それぞれをサービスとしている企業も多い。ただ、言われるがままのクリエイティブでは企業の魅力を引き出せないし、アドバイスを与えるだけのコンサルティングではあまりにも無責任だ。
「クリエイティブとコンサルティングの両方をフル活用して、企業の採用活動を支援しよう。これはリスペクトにしかできない、リスペクトだからこそできるサービスだよね?」
自分たちが提案して、自分たちでつくり、企業に寄り添った支援を行う。それはリスペクトの社員にとっても、創造性を遺憾なく発揮できる仕事ということだ。
もはやTに反発する者はいなかった。数ヶ月前まで曇っていた仲間たちの表情には、新たな挑戦に対する期待の色が滲んでいた。

T
このときはみんなが一致団結した感じがしました。新しいプロジェクトを始める前はいつもそうですが、武者震いというか、不安だけどゾクゾクするというか、「よし、これからやるぞ!」みたいな、実際に体験してみないとわからない特別な雰囲気があります。
みんなに納得してもらって、「じゃあ事業化しよう」ということになって、あとは力を合わせて頑張っていこう――そうだったら良かったんですけどね(笑)
チームを編成したときは、もう2014年の1月でした。2016卒から就職・採用活動期間が変わりましたが、2015卒は以前のままなので、だいたい7月か8月、9月には各社が採用活動の振り返りを始め、次年度卒の獲得に向けて動き始めるのが相場です。
っていうことは、遅くとも夏にはクライアントの採用活動に食い込まなきゃいけないですよね?つまり、採用支援をサービス化して、そのプロモーション方法を固めて契約にこぎつけるまで、たったの半年くらいしかなかったんです。

Chapter03
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個性とチームが生み出す絶大な力

「サービスインは2016卒の採用活動に合わせて行う」
Tの宣言に対し、首を横に振る者はいなかった。目標は5月。残された時間は少ない。やるべきことは山のようにある。だが、一度結束したリスペクトのチームが発揮する力は大きい。
プロジェクトがスタートし、チームが編成されてすぐ、メンバー全員が人事・採用に関する知識の収集を開始した。当然、Tもプロジェクトをとりまとめながら知識の吸収を怠らなかった。
ノウハウは、自社で蓄積してきたものに加え、採用活動が好調でマッチングに成功している企業への取材から得る。成功の事例を集め、要素に分解し、カテゴライズし、構造化することで体系化する。それが凝縮されたリスペクトの採用プロモーションサービスは、チームの全員が協力することで、あっという間に形となった。
もちろん、リスペクトが提供するノウハウの形はこれだけではない。サービスを固めていく過程で、あらゆるメンバーが意見を出し、それを形にするべく獅子奮迅の働きを見せた。
「ナビサイトに掲載されてる2万社の採用サイト、私がぜんぶ調べます」
そうして完成したのは、独自の計算方式を用いた40の評価項目による“採用サイトランキングTOP100”。各社の採用サイトを事細かに分析し、優れている点を書き出してランキング化したものだった。
「採用サイトだけに特化してノウハウを見せるのはどうかな?」
学生に及ぼす効果別に、発信する情報を分類した“コンテンツ事例集”もできた。これがあればどのような情報を掲載すればいいのかわかる。
「自社の課題を解決するには何が必要か、ひと目で理解できるものもほしいね」
“ケーススタディ”には、さまざまな採用課題に対応する施策が掲載されている。対策だけでなく、採用に対する問題を認識するうえでも必要なものだった。
コンサルタント、プロモーション担当、クリエイター陣が一致団結することにより、人材戦略・採用支援事業のサービスは驚異の早さで完成した。5月、目標達成だ。
しかし、これで終わりではなかった。サービスが固まれば、それを伝える必要がある。テストマーケティングを実行するための企業は、採用サイトランキングの下位にアタックを仕掛けよう。まだまだ足りない。Tはより多くのクライアントと出会うため、7月に開催される大規模展示会HR EXPOへの出展を決めた。そのためのプロモーションツールを大急ぎでつくらなければならない。
200時間強――これは、テストマーケティングの営業や、完成したサービスをより研磨する作業と平行して行われた、展示会への準備に要した時間だ。これまでの仕事で“スピーディーな亀”を実践してきたメンバーたちも、さすがに疲労の色を隠せなかった。
だが、Tは気を抜くことができなかった。大きな仕事が残されていたからだ。

T
ブースに立ち寄ってくれる方々に事業を紹介するのは、プロジェクトリーダーである自分の仕事でした。多くの時間と労力を費やしただけにチームの期待は大きかったですし、責任も重大でした。
プレゼン次第では、ここまで頑張ってきたチームのみんなの苦労を無駄にしてしまうかもしれない。そう思うと否が応でも気合が入りましたよ。3日間ずっと気持ちを入れて喋り続けたので、終わったときはもうヘトヘトでしたね。
だから、人事担当の方々が良い反応を見せてくれたとき、飛び上がりたくなるほどうれしかったです。もちろん、そこからがサービス展開の本番でしたけど、こんなに短期間でひとつの事業をスタート地点まで持っていけたんです。それはリスペクトだからできたことだと思うし、チームの力があったから実現できたんだと確信しています。みんなに感謝ですね。

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Epilogue

その後、リスペクトの人材戦略・採用支援事業における受注は増加し続けた。有名広告会社や国内屈指のコンサルティング会社といったプロからも依頼が舞い込むなど、ひとつの事業として完全に確立し、成長の一途をたどっている。
「企業と人材の真のマッチングを実現したい」という想いから始まった人材戦略・採用支援事業。携わる案件の数が増えていくにつれ、Tはこう思うようになった。
日本の採用活動をもっと良くしたい
リスペクトが体系化したノウハウをオープン化するのはどうだろうか。日本全国すべての人事や経営者にノウハウを伝え、全社共通の知恵とすれば、採用活動はもっと良くなるのではないか。発信する手段は、フリーペーパーにしよう。BtoBのフリーペーパーはほぼ手付かずの状態といえる。ひとつの市場として成り立つ可能性は大きい。それにリスペクトには、「新規設立法人支援」の失敗から学んだ多くの知見もある。Tの意志は堅かった。
「発行は2015年の夏を予定している」Tの言葉に、メンバーの表情が曇ることはなかった。
新たなチームが編成され、プロジェクトは再び動き始める。

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