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  3. 中島 慧一

葛藤のなかから生まれた強い気持ち

中島慧一は小学校を卒業するまで、新潟、東京、広島、鹿児島など転校を繰り返してきた。新しい学校にようやく慣れたかと思えば、また転校。そのたびに一からコミュティーを形成することは容易ではなかった。
「どちらかといえば引っ込み思案で、自分から話かけることが苦手。新しい学校になじめず、不登校のようになったこともありました」
母親やクラスメイトのサポートを受けながら登校し、努力が実ってようやくコミュニティーが体を成してきたところで、また「転校」の日がやってくる。

父親の仕事の関係上、それは仕方のないこと。そう自分にいい聞かせていた。それでも、2~3年単位で転校し続けなければいけない幼少期の体験は辛いものだった。
いつしか自分のなかに、ある気持ちが生まれていた。

「自分のことをわかってほしい」「相手のことをわかりたい」
中島の“コミュニケーション”に対する強い課題意識は、この経験から形成された。

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眠っている価値を引き出したい

東京大学に進んだ中島は、建築学を専攻した。
きっかけは『大改造!! 劇的ビフォーアフター』というテレビ番組。さまざまな物件のリフォーム・リノベーションを通じて、住みやすい環境を生み出すという番組趣旨が、自分の趣向とあっていた。

中島の趣味は部屋の片付けだ。「一見、不要に見えるものでも別の場所で生かせるんじゃないか」。そう考えると、模索せずにはいられない。この考える時間がとにかく好きだった。
縦に置いて使う本棚を、A4のファイルが入るように横にして使用したり、針金のハンガーを変形させてヘアブラシのホルダーをつくったり――。
片付けとはいいつつも、物を捨てることはあまりしない。むしろ、物を捨てることに抵抗があった。中島の考えはこうだ。
「まだ活用できるのに捨ててしまうのは誠実じゃない。うまく活用できないのは使い方に問題がある」
自分にとっての片付けとは、本来の姿・形にこだわらず、“モノ”のポテンシャルを引き出して、最大限活用すること。

だから、テレビ画面に映し出された建築士の仕事に興味を持ったのは自然のことだといえる。
彼らは、眠っている価値を余すことなく引き出し、人々を感動させていた。「やりたい」。自分自身のこだわりを究めるために選んだ道が建築だった。

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すべてがつながる瞬間

卒業研究ではある商業施設内に新設された、図書館の利用率の改善をテーマにした。
「なぜ利用されにくいのだろう」。その疑問を解決するために、看板や貼り紙の数、気付きやすさなど誘導性を評価する指標をつくって調査した。すると、図書館までの導線が整備されておらず、買い物などに訪れた人が気付きにくく利用されていないことがわかった。
「素晴らしい施設をつくっても、活用されなければ役に立たない。もしかすると、世の中にはこういう建築物が多いのではないか」。中島のなかに疑問が生まれた。

「多くの人が利用する公共施設が持つ価値とは何か、それを探る研究をしてみよう」。中島は修士研究にその答えを求めた。
題材にしたのは大規模なターミナル駅。建築物としては一級品だが、利用者にとって使い勝手が悪いところが散見された。
「設計者が意図した使われ方をしていない。空間をメディアとした時に、利用者に伝えたいメッセージが伝わっていないのではないか……」
二つの研究を積み重ねて見えてきた「課題」に対し、中島は一つの答えを出した。

「伝えること。わかってもらうこと。“コミュニケーション”こそが大事なんだ」
それは、自分が小さいころから強い課題意識を持ち続けていたことでもあった。
すべてがつながった――。自分のやるべきことがはっきりと見えた瞬間だった。

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後悔しないための決断

「“コミュニケーション”という視点からこの問題を解決しよう」。そう思って研究を進めたが、甘くはなかった。「メディアとしての空間」はあくまでコミュニケーションのあり方を考えるバリエーションの一つでしかない。しかも修士学生が取り組むには考えるべきことがあまりにも広範で、難しい題材だとわかったのだ。
建築学に求められる研究の成果は「設計実務に役立つ知見」のアウトプット。それに対し、中島が目指す方向性はそこから大きく乖離していた。なんとか折り合いをつけようと試みたが、あがけばあがくほど正解がわからなくなる。

一度研究から離れ、興味関心を持っていたことをとことん突き詰めた。本を読み、その理解をブログ記事にまとめたり、指導教員やカウンセラーに相談したり……。
「節操がないと思っていた自分の趣味趣向。一段掘り下げてみることで、そのすべての根幹に“コミュニケーション”があった」。あらためて気付くことができた。

「建築にこだわる必要はない」。自分探しの末の大きな決断だった。
自分自身に正直に向き合うため、建築学から“コミュニケーション”そのものを研究の主題にしている学際情報学府に再入学した。最低でも2年を要する遠まわり。同級生に比べ、社会に出るのが5年も遅れてしまった。
「人生の土台を固めるために必要な時間だったと考えています。自分が社会に出て何をしたいのかも明確になりました」

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公務員でも大手コンサルでもない、
「ベンチャー」との出会い

「コミュニケーションの問題を解決して、さまざまなもののポテンシャルを引き出したい」という考えから、公共性の高い仕事ができる公務員か、大きな影響力を持っていろいろな仕事に関わる大手コンサルティング会社でコンサルタントの仕事をするつもりだった。

しかし、どちらも決めきれない部分があり、迷っていた。
「公務員は予算や制約、市民との付き合い方など縛りが多く、自由度の高い仕事ができないのではないか……大手コンサルティング会社は、完全実力主義でハードな労働条件が当たり前の競争社会。真の課題を発見して、手段を問わず対象物の最大価値を引き出し、伝えるべき相手に発信する。そんな、自分が本当にやりたいことができる仕事はあるのだろうか……」
そんな心情で訪れたのが、リスペクトの会社説明会。この出会いが気持ちを大きく揺さぶった。

“コンサルティングを通じてクライアントが「潜在的に持っている価値」を再発見すること、それにクリエイティブという手段でカタチを与え、社会に向けて発信していく”というリスペクトの事業の方向性が、自分の問題意識と一致していた。

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社会の変革者への挑戦

「ベンチャー企業の説明会も試しに一つくらい行ってみようか」。そんな軽い気持ちで参加した。しかし、説明会で会った先輩社員の姿を見て考えが変わった。
一人ひとりが「機会と選択肢を最大に」というリスペクトの理念に共感し、「ビジネスとして社会の課題を解決し、より良くしたい」という高い目的意識を持ったうえで仕事に取り組んでいる。しかも、その困難さをむしろ楽しんでいるように見えたのだ。
「組織にダイナミズムがあり、『より良い新しいこと』を生み出していけそうな雰囲気がある」
説明会に参加したその日から、自分のなかでリスペクトの存在が日増しに大きくなっていった。

選考を受けるなかで、自分がやりたかった「課題発見から価値の最大化、情報発信までワンストップで提供すること」ができると思えた。
そして、代表の小原からもらった一言が決め手になった。「早いうちから経営者のそばで、失敗の経験を積んだほうが良い。うちならその挑戦の機会を提供できる」
将来、起業も視野に入れている中島にとって魅力的な提案だった。また、代表との会話を通して、自分を「一社員」ではなく「社会を良くしていくための同志」として期待してくれていると感じた。

大企業だからできることもあっただろう。「『挑戦』と『安定』という二つの軸で迷いましたが、リスペクトなら早い段階で経営の立場を学べるし、何かやりたいと考えたことも実現できそうだと思ったんです」。中島は「挑戦」を選んだ。
想定していなかったマイナーベンチャーへの就職。ここが自分にとっての最適な環境だ――。
虚勢ではない。「リスペクトと一緒に社会を変えたい」。その思いが入社を決意させた。

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“もったいない”をなくしたい

中学・高校生くらいから、漠然と「起業したい」と考えていた。
偉くなりたいとか、お金持ちになりたいわけではない。ただ、自分がやりたいことをやって社会に貢献したかった。
ぼんやりとしていたものが、幼少期の経験、大学での学び・気付きを通していつの間にか明確になっていた。遠まわりに思えた経験も、すべてこの時のための布石だったに違いない。

世の中はすでに多くの「良いモノ・コト・アイディア」であふれている。しかし、そのマッチングはまだまだ不十分で、伝え合う仕組みが最適化されていない。どんなに良いものを生み出しても、それが相手に伝わらなければ意味がないし、何よりもったいない。伝え方を変えれば、もっと魅力が届けられるはずだ。
「コミュニケーションによって社会から“もったいない”をなくすこと」。これが中島の最終目標だ。

ある程度、やるべきことの方向性は見えている。ただし、それをどのように実現すれば良いのか、まだ明確な答えは出せていない。
しかし、リスペクトがやろうとしていることと、自分がやりたいことの方向性は一致している。
「リスペクトでなら、実現する方法をきっと見つけられるはずだ。この答えを探すことが、自分のため、会社のため、世の中のためになる」。中島は、そう強く確信している。

2017年度 内定者 経営企画 東京大学大学院 学際情報学府 中島 慧一 Keiichi Nakashima

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